東京ジャーミィとイスラム文化

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代々木上原のモスク
代々木上原にあるモスクの見学ツアーに参加してきました。
モスク自体は毎日開放されていますが、土・日・祝日の14時30分から日本語ガイド付きの無料ツアーを行っています。
イスラムの文化や社会についてのお話を聞き、モスクでの実際の礼拝を見学するツアーで、私が参加した時は90分以上ありました。
※女性は肌の露出が少ない服装(手足首が隠れる服)やストールの着用など、礼拝場に入る時は服装のルールがあります。ストールは礼拝場の入り口で借りれます。詳しくは東京ジャーミーの公式HPをご覧ください。
小田急線に乗っていると南の方角にモスクのとんがりが見える。
東京ジャーミィ
東京ジャーミィは日本最大のモスクです。モスクとはイスラム教の寺院であり、毎日このモスクではイスラム教徒により礼拝が行われています。常時、開放されており(金曜は14時以降)非モスリムも自由に見学することができます。※見学の際はHPにて日時や服装などをご確認ください。
1938年にロシア帝国出身のタタール人により設立された東京回教学院を前身とし、老朽化のため取り壊された後に2000年にトルコ政府の援助の元で再建されたのがこの東京ジャーミィです。オスマン帝国の様式を踏襲し建築された荘厳なモスクで、思わず息をのむ美しさです。
尚、モスク横にはトルコ文化センターが併設されており、ハラルフードのショップやカフェなどもあり、モスクと合わせて見学することでイスラム文化を堪能することができます。
イスラム文化では数学の発達により美しい幾何学模様が生まれた。
美しいモスク
思わず息を呑む美しさ。モスクは天井が高く、全体に幾何学模様が施されており美しい空間に圧巻。
建築様式はオスマン帝国のスタイルを受け継ぎ、大きなドームを小さいドームが取り囲む形となっています。
イスラムは偶像崇拝NGなので像や絵はありません。
礼拝が始まる前には「アザーン」と呼ばれる礼拝の始まりを告げる呼びかけが行われます。言っている内容は分かりませんが、まるで美しい歌のようで荘厳な建築と合間ってなんだかとっても神秘的で感動してしまいました。礼拝の最後にはコーランの詠唱が行われるのですが、これがまた美しい。
美しい建物に詠唱、そして甘い香りが漂い全身で宗教体験をした気分です。
カフェ
モスクに併設されているトルコ文化センターの2階にはカフェがあり、トルコ料理を楽しむことができます。
ランチプレートにはハンバーグ「キョフテ」、ピザ、トマトと豆のスープなど。1,500円でプレートとスープ、チャイ(またはコーヒー)が付いてきます。
奥の緑のケーキは「トルコの泣き虫ケーキ(アーラヤン・ケク)」。緑の部分はピスタチオで、チョコレートがかかっています。このネーミングはチョコがしたたり泣いてる様に見えるからだったかな。
トルコのチャイはインドのチャイといろいろ違う。
トルコのチャイはミルクやスパイスは入っておらず、濃いストレートティと言った感じです。甘いスイーツと良く合います。
グラスは「チャイバルダック」というグラスに入れます。チャイバルダックは色々なデザインがあり検索して眺めているだけでも楽しいです。
ハラルショップ
同じくトルコ文化センターの1階にはハラルフードやイスラムのお土産を扱うショップがあります。ハラルフードとはイスラムの教えに即った食品です。
肉や惣菜などの冷凍食品や、豆やパスタ、お菓子やお土産的なものまで色々と売っていました。
チューリップのデザインのスプーンが可愛くて買いましたが、チューリップは1つの花しか咲かないことから、一神教であるイスラム教を象徴する花なのだそうです。建物をよくみるとチューリップのモチーフが至る所で使われてました。
うちは何故か香辛料を沢山使うので河童橋や新大久保でごっそり買うのですが、有難いことにここも香辛料が安くペッパーとチリパウダーを買いました♪河童橋や新大久保より近いので、次からここで買おうと思います。
パッケージに女性の絵が書いてある「Turkish Delight(ターキッシュ・デライト)」は、ロクムというグミの様なお菓子です。美味しいですが、激甘なので1個食べるとしばらく糖分はいらない感じになります。賞味期限が近いのか安くなっていて350円で買えました。amazonにもありますがびっくりするような値段で売られています。種類は違いますが、ロクムは成城石井やカルディにもあったような気がします。
イスラム文化
オスマン帝国とは
オスマン帝国は広大な領土を600年以上にも渡り支配したイスラム帝国です。
オスマン家により13世紀から20世紀にわたり統治され、最盛期にはギリシャなど東ヨーロッパ、エジプトやアフリカのイスラム諸国、黒海周辺の国々など広大な地域を支配した大帝国でした。
日本で言うと鎌倉時代末期〜大正時代くらいということになり、その長さに驚きます。
イスラム国家
イスラム教というと、日本にいる私たちは事件で耳にすることが多いので過激であり他宗教に非寛容であるイメージがある人も多いのではないでしょうか。
しかし、オスマン帝国の歴史を振り返るとその支配は必ずしも専制的なものではなく、納税など一定の約束の上で既存の制度や文化、宗教を許容するものでありました。
他宗教の者でも能力のある者を登用する能力主義であり、とても合理主義的な帝国であった様です。また、広大な地域のを長期間支配することを可能にしたのは他者に対する寛容さにもあった様に思えます。
オスマン帝国の文化
オスマン帝国の文化と言われてもピンと来ないかもしれませんが、実は私たちの身の周りに多くあります。沢山ありすぎて上げきれないのですが、有名所ではコーヒーの文化ではないでしょうか。
コーヒーはエチオピア発祥と言われていますが、最初はイスラムの修行者によって眠気覚ましとして宗教的な用途に使われていました。それがオスマン帝国へ伝わり嗜好品へと変化し、16世紀中頃にはイスタンブールに世界初のコーヒーハウス(カフヴェハーネ)が誕生しました。
日本は戦国時代、千利休によって茶の湯のわび茶が完成させられた頃です。茶の湯は戦国武将の社交の場となっていましたが、オスマン帝国のコーヒーハウスも社交の場として広まったようです。
カフェというとウィーンのイメージがありますが、ウィーンのコーヒー文化はオスマン帝国による第二次ウィーン包囲時にオスマン帝国から伝わったとされています。オスマン帝国軍が撤退する時に持参していた大量のコーヒーをウィーンの商人に売り払ったのがきっかけだとか。
チューリップもオランダのイメージがありますが、原産国は現トルコのあるアナトリア地方とされています。つまりオスマン帝国にあった花なのですが、神聖ローマ皇帝がオスマン帝国に使節を派遣した時にチューリップを得て、ヨーロッパに伝わったということです。原種は私たちのイメージする物と少々違い、背丈が短いクロッカスに似た花です。チューリップは高価であったことから、オランダでは投機的な存在ともなったそうです。
おわりに
オスマン帝国というイスラム国家は、中央ユーラシアからヨーロッパへと長い時間をかけて様々な文化を柔軟に吸収しながら広大な帝国を築きました。そして華やかな文化を開花させヨーロッパなど周囲の国々へ影響を与えたました。
この帝国の繁栄は民族や宗教にとらわれず有能な人材を登用する合理主義的な統治と、寛容な社会システムによるものであったといえます。
世界史の授業ではヨーロッパ目線で学ぶことが多いので、オスマン帝国というと怖い侵略者というイメージがありますが目線を変えると印象ががらりと変わりまね。
オスマン帝国=現在のイスラム国家とは言い切れませんが、この帝国の歴史からイスラムの性質を窺い知ることができるのではないでしょうか。
東京ジャーミィの日本語ガイドをしてくださった方はイスラム文化について様々なお話をして下さりましたが最後に「ニュースに登場するのは一部の過激な人々であるが、なぜ彼らが過激な行動を取ってしまうのか、ということについても考えてほしい」とおっしゃっていたのが印象的でした。
私はオスマントルコにハマったのをきっかけに東京ジャーミィを訪れましたが、カフェにお茶をしに行くだけでも異国の文化を堪能できて楽しいと思います。
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